企業の採用試験ほど無駄な事はないと思う
こういう記事が話題になっています。
情報機器販売のスターティアが2017年4月入社の新卒採用から始めた「麻雀選考」が、いま大きな注目を集めている。 説明会や懇親会と同時に、就活生と社員が卓を囲む麻雀大会を開催。1位を獲得した学生には、いきなり最終面接に進めるという特典が付く。もちろん通常の採用選考も実施するが、採用目標40人のうち「麻雀枠」で2~3人の採用を予定している。
新卒採用で麻雀を導入するメリットは確かにあります。
まず記事に書かれているように、突拍子のない選考をする事により話題となり、会社の宣伝効果が発生することです。
もう一つは「麻雀の好きな人を採用できる」という点でしょう。
社員も卓を囲んでいるとありますし、麻雀の好きな人が多いはずです。
例えばメタボ教授が入った会社では、上司から取引先までパチスロが好きな人が多くいました。
自分は元々競馬が専門でしたが、入社と同時にパチスロを本格的に始めます。
当時パチスロはそんなに好きじゃ無かったですが、「仕方ない」と割りきりました。
ただ世の中、そんな人ばかりではありません。
ギャンブルが大嫌いという人も居るでしょう。
それなら最初から趣味が合う人を採用するのが会社にとって効果的です。
優秀な人材とは限らない
もちろん麻雀採用にデメリットもあります。
担当者は次のように語っていますが、
「私たちが営業職に求める能力は、『決断力』と『勝負所を掴む嗅覚』の2つ。こうした資質を確かめるのに、『麻雀』はぴったりだと考えています」
1回の麻雀大会で『決断力』と『勝負所を掴む嗅覚』を見極めるのは不可能です。
麻雀はあくまでギャンブルですから、差が出るまでは膨大な試行回数が必要となります。
牌の扱い方を見れば経験値は解りますが、麻雀を沢山打っている人が「決断力と勝負所を掴む嗅覚に優れる人」とは限りません。
寧ろ「大学時代に麻雀ばかりしていた人」を採用するリスクはそれなりに高いはずです。
結局はどういう人材が欲しいかという話
同じような採用試験をやるから「同じような就活対策をした学生」が大量発生します。
それにより採用側は何回も面接しないと見分けが付かないわけです。
大きな無駄だと思います。
そういう無駄を解消するために、「同じ趣味の人を募集する」もアリだと思いますし、「居酒屋で飲む」という試験もアリかもしれません。
そうじゃなくても業務に直結した採用試験はどんどん取り入れるべきです。
一般的な面接試験は1回で十分でしょう。
そもそも就活生が面接で「志望動機」や「会社に入ってやりたい事」を語るのはおかしな話だと思います。
本来「やりたい事がある」学生は就職せずに起業した方がいいわけです。
自分では金が生み出せないから就職したいわけで、志望理由などを聞く事に意味がありません。
一方で、会社側は「採用したい人物」をもっと明確にすべきです。
そうすれば、採用にかかる手間を省けます。
多くの会社は抽象的な人物像を掲げて求人してるから非効率的なのです。
そこを改善すれば日本企業はもっと伸びると思います。